今回は当店の大人気品種、いや
世界で人気品種といっても過言ではない
『ピオワルスキー ロートターキス』の飼育テクニックについて
お話させて頂きたいと思います。

このピオワルスキーロートターキスですが
ディスカスファンのどなたが見ても
『美しい!』と唸ってしまう品種です。
この品種のせいで
他店でレッドターコイズと言って販売していたものを
ドイツ語に言い直し『ロートターキス』と称して販売をし始めたほど
本種のディスカスマーケットへの影響は強く
また多くのディスファンを虜にした品種でもあります。

どなたもこの姿を見ると、ピオワルスキーロートターキスを飼育してみたい!と
思われるでしょうが、しかし!
このロートターキス、実は一筋縄ではいかない品種でもあります。

といいますのも、このロートターキスは
ピオワルスキー氏が
ワイルドディスカスのジャタプー産(♂)とクリペア産(♀)の1ペアを交配して
作り出したピュアなワイルドブラッド由来の品種でして
さらに近親交配を重ねて(すでに7~8代)現在に至っている
種であるゆえに
正直に申し上げて『水質に非常にうるさい!』という側面を
持つようになっております。
その美しさと諸刃の刃のように持つ
その水質への敏感さは、正直私も導入当初驚いたほどで
当方の様々な実験・検証の末にその対処法を見つけるに至るわけですが
正直、苦労致しました。

今回はついに、本邦初ですが、ロートターキス飼育必勝法・飼育テクニックの
すべてをご紹介したいと思います。

話はいきなり逸れますが、かつて香港の有名なブリーダーのある品種が
非常に水質にうるさく、これが上手に飼育できれば君も上級者だぜ!という
品種がおりました。
実はロートターキスはその魚の再来と言ってよいほどの『うるささ』なのですが
両種に共通するのは、他の追随を許さない美しさと水質への敏感さでしょう。

ここで話をもどします。
さて、ロートターキスが水質にうるさい!と私は申し上げましたが
そういいますと、皆様はすぐその水質を推し量る指標は
『ペーハー』とか『導電率』とかの言葉をご想像しますのでしょう。
今回のお話したい『水質』というのは、そういうものではございません。

今回私がお話したい『水質』といいますのは
『濾過のクオリティの高さ』を指し示しております。

さらにここで多く皆様は
なぁ~んだ、濾過か!それなら大丈夫!
うちは外部フィルター、上部フィルター、そしてスポンジフィルターなど
色々つけているから!とか
うちはオーバーフローで濾材は○○でウン十㎏入れているから大丈夫!と
ついつい、ブランド濾過器、多濾過器、ブランド濾材、規模の大きさを
あげて、大丈夫!大丈夫!と言い張られるかと思いますが
実は、実は!
そういう方たちは、すっか熱帯魚業界の営業トークに
良いようにされている方たちで
全く濾過というものの質を認識されていないといっても
間違いないかと思います。
※かつて私もそうでした(苦笑)

濾過のクオリティというのは、その濾過器に生息する
菌類の種類、数、バランスです。
その3つが、ディスカス飼育の上で水槽に投げ込まれる大量の餌
ディスカスが代謝で排出するアンモニアを
ディスカスにとって無害なものへスムーズに変換してくれるかが
一番大事な事で、決して濾過機が高いかデカいか?
あるいは、ドイツ製とか、スペックが良いとか
全く関係ない(といっても過言ではない)のです。

ではそのクオリティの高い濾過の状態はどのように作り出すのか?という話になります。
全く難しい話でもございませんし
マル秘のお話でも単なる営業トークでもございません。
実証がともなった真実をお話しします。
当店では、もう耳にタコが出来るほど申し上げておりますが
善玉菌ブレンド液『バイオエース』と即効性善玉バクテリアの『100%生きているPSB』を使用して
高いレベルでバランスのとれたクオリティの高い濾過環境を作り出しております。

では、新規に立ち上げた水槽に
前出のバイトエースとPSBを使用すれば
水質にうるさいロートターキスを即上手く飼育できるのか?と言えば
答えはNO!です。
といいますのも、実はバランスのとれたクオリティの高い濾過環境というのは
一朝一夕で出来上がるものではないからです。
バクテリアの素というのは、あくまで素です。
素だけでは、水槽内でディスカスを数匹飼育するのに必要な
バクテリアの総数、総量には届かない数、量です。
善玉バクテリアが
ディスカスが吐き出すアンモニア、そして投入される餌を摂取しながら生存し
やがて増殖していきます。
また各家庭の水槽で与える餌の種類も違いますでしょうから
水槽内で増えるバクテリアの種類も多少違いますでしょう。
様々な善玉バクテリアが其々の飼育スタイルに合った形で増殖しながら
バランスと取っていき、濾過環境が時間をかけて
完成していくのです。


ここで写真です。
どのような状況になれば、最高にバランスのとれたクオリティの高い濾過環境なのか?と
ご覧になりたいと思われますでしょう?
水は無色透明ですので
クオリティの高い濾過機状況の水とそうでない水の見分けは
出来ないようにように思われるかもしれませんが
実は・・・できます。
実際の水槽の写真で、その違いと
バランスのとれたクオリティの高い濾過環境の特徴を
ご覧にいれますね。

写真1 ガラス面の水面写真

この水槽はまだバランスのとれたクオリティの高い濾過環境が
出来上がってない水槽です。
水面に気泡がございます。
分解されていないタンパク、脂肪が水に溶けこんで泡を出しているのでしょう。

写真2 ガラス面の水面写真

こちらがバランスが取れたクオリティの高い濾過環境の水面です。ご覧ください。
全く気泡がございませんね。
水に餌から溶出したタンパク&脂肪が充分に分解されている状態です。

また水面に浮かぶエアレーションの気泡のはじけ方にも特徴がございます。

写真3 気泡の状態

写真4 気泡がはじけた後

このように大きな気泡がはじけた後、細かい気泡が水面に残ります。
少し水に粘りのようなものがあるようです。
これはきっとバクテリアによってタンパク脂肪が
多少の粘りがある物へと分解されたためでしょう。

写真5 分解された糞の様子。

バクテリアによりディスカスの糞までも分解され
粉々になり消えていきます。
写真が粉々になった様子です。
この後跡形もなくなってしまいます。

写真6 バランスとれたクオリティの高い濾過環境の水槽の様子。

小汚い水槽ですが、ロートターキスが乱舞しております。
水槽が緑色のコケ(緑藻)に覆われております。

写真7&8
水槽側面の緑藻の様子。

バランスのとれたクオリティの高い濾過環境と緑藻との
因果関係は私には分かりません。
しかし経験上、この状況の水槽内では
非常に魚は『調子が良い』のです。
この状況は褐藻(茶ゴケ)が生えている水槽よりも
より高いレベルで魚の活性が高いのも当方の環境で認められております。

動画 スポンジフィルターのメンテナンス編

スポンジから出る汚れの色を見てください。乳白色ではなく
茶色です。
タンパクと脂肪、糞が分解され尽くして
カスになり、スポンジに溜まっているのが分かります。


さて、写真と動画で紹介した
この状況に一体どれぐらいの時間をかければなるのか?
全く新しく設置した水槽から
バイオエース、PSBなどを使用して大体2か月以上かかります。
そう、2か月以上もかかるのです。
ですので、一朝一夕にして水槽はならずと私は良く言っております。

では、その他にももっと短い時間でこの状況を作り出す奥の手がございます。
それは、高いレベルでバランスがとれたクオリティの高い濾過環境の濾材を
移植して使用するのことです。
高いレベルでバランスがとれたクオリティの高い濾過環境の濾過器
一番簡単な場合はスポンジフィルターですが、そのスポンジを
新設の水槽環境にて使用することで、大体2~3週間前後で
新しい環境が高いレベルでバランスがとれたクオリティの高い濾過環境へと
変貌していきます。

私は、ディスカス初心者の方が
ロートターキスを飼育したいと言われた際
当方で使用している
スポンジフィルターのスポンジを
替えスポンジの料金で『販売』させて頂いております。
そしてその方々は
ディスカスを初めて飼いはじめたというのに
水質にうるさいはずの
ピオワルスキーロートターキスを簡素なフィルターで難なく飼育し
成魚まで成長させている事実がございます。
これは紛れもない事実です。

しかしのこの方法は直接当方の店舗までお出で頂ける方々限定の
上級ワープ飼育法でして
遠方の方々にはご体験いただけない方法でもあります。
(当方の濾過スポンジをお送りしても
時間経過のためバクテリアが死滅あるいは激減してしまうため)

やはり、遠方の方々には2か月コースを学んでもらうしかありません。

では、改めてその2か月コースの方法をご紹介します。
そんなに難しくはございませんよ。

まず新設した水槽にバイオエースを規定量(100Lに対して10cc)入れます。
水槽が白濁しますので
それまでは生体を入れず、濾過器とエアレーションを回しておきます。

水が透明になりましたら生体を入れてください。
ここでPSBを規定量(100Lに100cc)入れてください。
魚をいれても2~3日は餌を入れないでください。
魚が水に順応してきたら、水槽ガラス面をコツコツ叩き
寄って来るようになれば、餌を(ハンバーグ、あるいは乾燥フード)をごく少量与えてください。

当方はここから毎日バイオエース1に対しPSB3量をブレンドした液
(100Lに対しバイオエース5cc&PSB15cc)を
毎日水槽に投与していきます。
餌も1週間は少な目に、あくまで少な目に入れて行きます。
1週間はまず水替えをしませんのでここもご注意ください。

2週目に入りますと、水量の25%を換水致します。
またここでバイオエースとPSBをブレンドしたものを投与していきます。
2週目もまだ餌は少しづつです。

3週目に入りますと、徐々に様々なバクテリアが増えてきております。
その前にアンモニアと亜硝酸チェックなどをしてもらいますと
ここで亜硝酸が出てくる頃ではないかと思われます。
3週目の終わりになるとその亜硝酸も消えていきますので
ここで第一段階の濾過環境が完成します。

亜硝酸が出なくなったころから
餌の量を増やしていき、その分水換えの量も
3日に30~50%とかになっていくでしょう。
(あくまでも水量に対する魚と餌の量に水換え量は比例しますが。)
バイオエースとPSBのブレンド液の投与も水換え時のみ
前出の量に変わっていきます。
ここまでで、濾過の基礎段階の完成です。

これからが今回ご紹介した
ロートターキスも楽々飼育できる
高いレベルでバランスがとれたクオリティの高い濾過環境を実現する
段階へと進んで行きます。
基礎の濾過環境は出来上がっておりますので
あとはその濾過バランスが成熟するのを
ひたすら給餌、水替え、バクテリア液の添加を繰り返しながら
2か月間待つだけです。

スポンジフィルターを使用している場合は
途中スポンジを軽く絞ってみて
どうのような色の汚れが出てくるのかご覧になってください。
乳白色の汚れが出れば、いまだクオリティの低い濾過状況で

動画でご覧にただいた茶色の汚れが出れば
濾過のクオリティが高くなってきている証拠です。
あと、スポンジの触った感触も
油っぽくヌタヌタしていれば×、油っぽさがなければ○です。

またこの3週目までに、スポンジフィルターのスポンジが
汚れで詰まっている様子があれば
かるく飼育水で揉んで頂き、通水性を高めてくださいね。

さていかがでしたでしょうか?
魅力的なジャーマンディスカス
ピオワルスキーロートターキスのご紹介から
この種が楽に飼育できる
高いレベルでバランスのとれたクオリティの高い濾過環境をご紹介し
その環境を作る方法もご紹介させていただきました。

正直申し上げて、ここまで書いたら
当方があみ出したマル秘テクニックのすべてをご紹介した事になるのですが
これでまぁ、私は良いと思っております。
それほど私は、世界的にも認められた
美しく、気難しい(笑)ピオワルスキーロートターキスを
皆さんに楽々と飼育して頂きたいのですね!

またここで敢えて言わせて頂きますが
ロートターキスが飼育できれば
全てのワイルドディスカス、世界中のブリードディスカスなど
どうようなディスカスも楽々飼育できますでしょう。

是非ご実行頂けたらと思います。

重複する部分もかなりありますが

欧州魚を飼いこなせ!part1⇒クリック♪
欧州魚を飼いこなせ!part2⇒クリック♪

上記の記事も合わせて是非ご覧ください。

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では皆様、頑張ってピオワルスキーロートターキスに
チャレンジしてみてください!